BSAT-4aを打ち上げたAriane5の射場は、南米フランス領ギアナのクールーという小さな街のギアナ宇宙センター(CSG)内にあります。
クールーは北緯約5度のほぼ赤道直下です。
衛星を静止軌道に乗せるには赤道から打ち上げるのが最も効率的で、日本や米国の射場も国土のできるだけ南側にあります。
日本からクールーへ行く旅程は主に2つあり、フランスのパリ経由とアメリカのマイアミ経由で、私は射場駐在業務のためパリ経由で渡航しました。
往路は、羽田空港 → パリ・シャルルドゴール空港 → パリ・オルリー空港 → カイエンヌ空港 → クールーという旅程で2日かかり、復路はその逆の旅程ですが、時差の関係で3日かかります。
カイエンヌ空港では、大きなロケットの模型の展示がお出迎えしてくれます。
さすが、アリアンスペース社の射場がある地域です。
BSAT-4aも米国SSL社からこの空港にアントノフという貨物専用機で到着しました。
空港からクールーのホテルへ、人はバスで移動します。
衛星はCSG内の専用の建物にトレーラーで運搬されます。
ほぼ赤道直下なので、目の前にはヤシの木、南国のジャングルやサバンナが広がります。
美しい蝶が羽ばたき、バナナやスイカのような果物を道端で販売しているのを見かけたりします。
本当にここで最先端の技術を駆使したロケットで衛星の打ち上げが行われるのかと疑いたくなるほど、のどかな田舎の風景です。
ホテルに到着しチェックインしますが、暑さと時差ボケでもうフラフラです。
少し休んでから先に駐在していた上司に案内してもらい、明日から駐在するCSGの受付事務所で手続きをして、IDカードとレンタカーの登録証を受け取ります。
これでいよいよ明日から駐在事務所の建物に入館でき、駐在業務開始です。(K.Y.)