CSG内には、フランス国立宇宙研究センター(CNES)、アリアンスペース社、欧州宇宙機関(ESA)の事務所や、ロケットコントロールセンター、ロケット組み立て工場、衛星に燃料を充てんし管理する建物、Ariane5やSoyuzなど、ロケットの射点が点在しています。
その他、気象観測所、ロケット関連の博物館などもあります。
燃料など様々な危険物を扱うところもあるので、各建物は安全のためかなり離れています。
例えば、打ち上げ時に指揮する技術者が集うJupiter 2という建物と射点は15kmほど離れています。
そのため駐在中は毎日いろいろな建物で会議をしたり、衛星やロケットの状態を確認したりするのにかなりの距離を車で移動します。
衛星やロケットの状態を確認するときは、危険物が保管してある建物に入るので、ヘルメットや安全靴、衛生帽、宇宙服のような全身ツナギ作業着を着用し、更に酸素濃度検出器とガスマスクを携帯します。
駐在を開始する初日には、危険な場所に立ち入るための安全講習を受講することが全員に義務付けられています。
打ち上げ前は準備の会議や作業で毎日あっという間に慌ただしく過ぎていきます。
打上げ前日にはBAFと呼ばれる、衛星をロケットに搭載する工場から数km離れた射点にAriane5を移動します。
この時、立てたまま移動するので風の影響を受けることがあります。
また、打ち上げ時にも風の影響を確認するので、前述した気象観測所が活躍します。
初めて間近で立ち会ったAriane5の打ち上げは、言葉にできないくらいに美しいものでした。
またそれ以上に、打ち上げに関わる仏国の技術者や、米国の衛星メーカーの技術者たちの絶対に成功させるという情熱や、仕事に対する明るく真摯な姿勢が美しく、技術者として感動するとともに、多くの知見を得た駐在業務でした。(K.Y.)
なお、BSAT-4aを搭載したVA239打ち上げの様子はこちらのサイトでご覧いただけます。
http://www.arianespace.com/mission/ariane-flight-va239/