はじめまして。
今年度、川口衛星管制センターに配属されたY.Hです。
このブログでは、管制センターで仕事をしていくなかで学んだことや驚いたことを共有していきたいな、と思います。
こんなことやっているのか~と、気軽に読んでいただけると幸いです。
さて、入社して2か月目で、珍しい現象に立会うことができました。
その現象とは…「月食(つきしょく)」です。
多くの人は「月食(げっしょく)」のほうが馴染み深いと思います。(私も初めて聞いたときは、天体ショーが見られるとウキウキしてしまいました)
「げっしょく」、と、「つきしょく」、同じ漢字を書いて読み方が違いますが、もちろん中身も違います。
違いのポイントは、「一直線に並ぶものの順序」と「何の影が、何に落ちる」かです。
「月食(げっしょく)」は、
太陽-地球-月が一直線に並んで、地球の影が月に落ちる現象。
一方で、「月食(つきしょく)」は、川口衛星管制センターで「月食(げっしょく)」と区別するために読み方を変えているもので、
太陽-月-衛星が一直線に並んで、月の影が衛星に落ちる現象。
つまり、「げっしょく」と「つきしょく」は同じタイミングでは起こりません。
また、「つきしょく」の時は地球では新月になるので、月は見えません。
一般的には天体ショーとして楽しまれている「げっしょく」ですが、「つきしょく(以下漢字表記)」は衛星(と管制する側)にとって少し困った現象になります。
衛星は、太陽電池によって太陽光から電力を得て運用されています。
しかし、月により太陽が隠れてしまうと、衛星に太陽光が当たらなくなるため、電力が供給できなくなります。
そこで、衛星に搭載しているバッテリーから電力を供給したり、月食期間中の衛星状態の監視を強化したりします。
そのため、月食前後は衛星に対して確認することが多くなるので、作業工程の入ったBOXがパンパンになります。
ちなみに、私が立会った月食の食率(どれくらい完全に遮られるのか)が、ほぼ100%と近年稀に見る大きさでした。
その前は約10年前とのことでしたので、入社早々運が良いなと思いました。
(S.J先輩が、以前「げっしょく」のブログを上げられていたので、そちらを参考させていただきました→月食|B-SATブログ|B-SAT 放送衛星システム)
(Y.H)