放送衛星とは?
東経110度、赤道上空36,000km、
はるか宇宙に浮かぶ5機の衛星が39
(音声番組を除く)の番組をお届けします。
放送衛星は広いエリアに大容量の情報を伝達する性能を備えています。東経110度の静止衛星軌道から日本全国をカバーし、ハイビジョン放送や、新4K8K衛星放送のような更にハイクオリティの放送をお届けすることが可能です。また地震等の災害にも強く、非常時の情報インフラとしての役割を担うこともできます。
2017年には新4K8K衛星放送を担う放送衛星BSAT-4aを、2020年にはBSAT-4aの予備衛星としてBSAT-4bを打ち上げました。
B-SATでは、宇宙空間に浮かぶ衛星の万一の事故や故障に備えるため、5機の衛星を運用・管理し、万全の体制を期してBS放送をお届けしています。
放送衛星5機の運用
衛星管制センターが5機の放送衛星を管制し、
アップリンクセンターが
放送衛星に電波を送ることで、日本全国に安定したBS放送を送り届けます。
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BSAT-3a
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BSAT-3b
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BSAT-3c衛星写真提供 ロッキード・マーチン社、マクサー社
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BSAT-4a
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BSAT-4b
新4K8K衛星放送を担う「BSAT-4a/4b」
BSAT-4aは2018年12月1日に開始された「新4K8K衛星放送」を担う放送衛星で、右旋及び左旋の電波の送出が可能になりました。中継器性能も高性能化を図っており、2K/4K/8Kの全てのBS放送に対応した衛星です。
BS放送のチャンネルバックアップ体制
BS放送を送信している衛星で故障が起きた場合にも、トランスポンダー(衛星中継器)運用を他の衛星へと切替えることで、BS放送を継続する相互バックアップ体制を確保しています。
2020年に打ち上げられたBSAT-4bにより、右旋・左旋全てのBS放送チャンネルのバックアップ体制が確立し、より安定的にBS放送をお届けできるようになりました。
BS放送用周波数の確保について
電波は有限な資源です。使用目的に従って利用できる帯域が異なり、BS放送では大容量情報の送受信が可能なKuバンド(12GHzの帯域、17GHzの帯域)を利用しています。また電波は同じ周波数を使用すると干渉してしまうため、日本の放送品質を確保するためには、近隣の国々とアンテナビームの形状、電波の出力等に関して調整を図る必要があります。
国際的な電波利用の調整は無線通信規則(RR: Radio Regulations)の規定に基づき行われ、B-SATではBS放送に必要な帯域を確保するため、国際間の調整に協力してまいりました。新4K8K衛星放送や既存の衛星放送品質の維持と向上、さらに将来の衛星放送に必要な新しい帯域の確保のため、B-SATも参加して国際間の調整を進めています。
BS放送波の品質管理
日本全国に向けて放送しているBS放送波の品質管理や、
外国衛星からの妨害波の有無を常に監視していくことが
B-SATの大切な使命のひとつです。
そこで、日本列島周縁をカバーするように電波監視設備を
設置し、各地の電波状況を東京から統合監視できるシステム(受信モニター局)を構築しています。稚内、釧路、
東京、小笠原、対馬、唐津、沖縄、南大東、与那国の
9拠点に設置しています。