大雨が降ると,衛星放送の画面が図のようにモザイク状になったり、テレビによっては動きが止まってしまい、正常に受信できなくなる場合があります。これは、雨によって電波の強さが弱められてしまうために起こる「降雨減衰」が原因で起きる現象です。
この影響は,電波の波長が雨粒のサイズに近くなるほど大きくなります。周波数の高い電波ほど波長は短くなり、例えば10GHz程度の電波の波長は約30mm程度になります。これ以上高い周波数では,波長が雨粒の大きさに近くなります。すると,電波が雨粒に捕らえられ,水の分子に吸収されたり、受信アンテナ方向以外に散乱して、
受信電波の強さが減衰します。
衛星放送は、12GHz帯の電波(波長25mm)を使っているため、降雨減衰の影響により大雨が降ると画面が乱れるのです。