以前に投稿した[放送衛星は止まっているの?]や[放送衛星に寿命はあるの?]の通り、地球から見ると止まっているように見える放送衛星ですが、実際は静止衛星の軌道が赤道面に対して完全な円の形になっていない楕円の形になっていたり、赤道面に対して傾斜しているなど、様々な要因により、放送衛星の位置は少しずつ変化します。そのため、その位置を一定範囲内に納める様に、軌道や姿勢を制御しています。
一方、放送衛星への送信用に使用している地上アンテナは、放送衛星まで電波が届くように、ご家庭で使用されているよりも、かなり大きいパラボラアンテナを使用しています。パラボラアンテナが大きくなればなるほど、衛星に送信する電波のレベルは強くなっていきますが、その反面、送信する電波は拡がりにくくなるので、方向がずれると放送衛星に電波が届かなくなってしまいます。
そうなると、移動している放送衛星に電波を当てるため、地上のパラボラアンテナを放送衛星に向けて、角度調整[衛星追尾]を行う必要があります。
B-SATでは[ステップトラック]という方法で、衛星追尾を自動化させています。ステップトラックは、受信信号のレベルが最大になるよう、水平方向と垂直方向それぞれにパラボラアンテナを振る事(動作イメージとしては、扇風機の首振りのような感じです)で、角度調整を行っています。