衛星放送まめちしき

衛星放送まめちしき

NEW

国際会議のまめ知識

放送衛星は、国際電気通信連合(ITU:International Telecommunication Union)で定める無線通信規則(RR:Radio Regulations)のもと、運用されています。RRには周波数の分配、使用のための規則・手続きが定められています。このRRの策定・改定は、3年から4年ごとに開催される世界無線通信会議(WRC:World Radiocommunication Conferences)で提案・審議されます。B-SATでは、WRCに寄与文書の入力および会合への参加を行っています。

今回の記事では、B-SATが参加している国際会議の進め方の一例をご紹介したいと思います。

初めに、出席者が発言する場合は議長に指名されてから行います。

議長が発言者を指名するときは次のような言葉が使われます。

” The delegate of Japan, you have the floor.”

delegateとは「代表者」という意味です。また、このfloorは「床」という意味ではなく「発言権」という意味です。

議長に指名されれば発言を始めます。発言者の最初の言葉は、これまでは、

Thank you, Mr. Chairman/Madame Chairperson がよく使われていましたが、ジェンダー平等の観点等から、Thank you, Mr. Chair/Madame Chairというのが一般的になってきました。単に議長への挨拶のように思われますが、これは通訳者への合図という大切な意味があります。この最初の挨拶で発言者がどの言語で発言するかを通訳者に伝えています。英語で言えば英語の通訳者が、仏語で言えばフランス語の通訳者が通訳を始めます。このあと、発言者は寄与文書等のプレゼンを行ったり、自分の意見を述べたりします。発言の最後もThank you, Mr. Chair/Madame Chairとなります。これが議長と通訳者への発言終了の合図となります。

このChairという言葉は、manやpersonが省かれたので、人ではなく、物に語りかけているようだと違和感をもつ出席者もいるようです。

このように会議中のやり取りは、議長と出席者の形で行われます。

他の出席者へ質問をする場合も、議長を通して行います。例えば;​

“May I ask, through you, Mr. Chair, the delegate of “相手名”  about ~~?”​というように議長に発言し、

この後、議長は、” The delegate of  “相手名” , you have the floor.” というように出席者を指名し、その出席者が発言を開始します。

B-SATでは、このような国際会議を通して、無線通信規則の策定および改定への寄与、技術仕様に関する国際標準化(勧告、報告の作成)を行い、衛星放送の安定運用と将来の発展へ繋げています。

 

 

 

HOME 衛星放送まめちしき 国際会議のまめ知識